女郎屋と下駄屋 ~雨の助け~―品川下駄屋物語―丸屋履物店

品川下駄屋物語

女郎屋と下駄屋 ~雨の助け~

【じょうろやさん】と下駄屋さんの繋がりで聞いた例として「雨」というのがありました。
【じょうろやさん】がお目当ての方は当然お洒落をしていきますから、雪駄を履いていたりする事もあったというのは想像に難しくないところ。
そこでお楽しみの後やお泊まりの朝に雨が降っていたとしましょう・・・
そうすると、履物がない!傘がない!という事になります。
そこで自然に下駄屋さんの出番となり、雨下駄と傘を持ってくるようお声が掛かったらしいのです。
雪駄は雨に履いたらダメになってしまうし、履物だけでなく着物も濡らしたくはない・・・ということで・・・
雨下駄・傘を荷台一杯持っていくレベルなんだというから驚きです。

なんで傘を持っていかないのか?と考えてしまいますが、おそらくこの頃「天気予報」が無いのではないか!?
少なくとも現代ほど正確には把握できなかったはずです。
予測不能なお天気模様だったからこそお役に立つ商売、という側面もあったのかもしれません。

これは下駄屋として雨下駄と傘の必要性を自然と理解できるエピソードだと思います。

現在の丸屋では傘は扱っておりませんが、下駄屋には傘があるものなんだ、という話はよく聞いていました。
自分が就業した当時でも傘の扱いはあり、丸屋が傘の扱いを辞めてしまったのはつい最近のことです・・・

やはり下駄は「雨の日の履物」としての側面もあるためでしょう。
傘もセットとなるのは自然な所だと思います。
※これは丸屋だけではなく、昔ながらの下駄屋さんは大体傘の取り扱いもあったのではないかと思います。

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下駄


もくじ

丸屋就業

突っ掛けて履く

和装履物の知識を・・・ ~昔話~

言葉の違い ~じょうろやさん~

品川宿と女郎屋と下駄屋

・女郎屋と下駄屋 ~雨の助け~     <--現在地

女郎屋と下駄屋 ~捕物協力~

専門店の多い町

建物について~関東大震災・戦争~

赤線禁止法

オードリーヘップバーン ~ヘップサンダル~

祖父亡くなる

有り難いお客様

時代の流れと共に

なぜ下駄屋を継いだのか