オードリーヘップバーン ~ヘップサンダル~
赤線禁止法を受けて徐々に苦しくなっていったのは何も下駄屋(小売屋)だけではありません。
製造業の草履屋・花緒屋さんといったところが、方向転換の必要性を強いられます。
そこで大きく流れを変えるのがかの有名な「オードリーヘップバーン」です。
赤線禁止法の少し前、【麗しのサブリナ】という映画中でオードリーヘップバーンの履いていたサンダル(爪先バンドのみのサンダル)が
【ヘップバーンサンダル(ヘップサンダル)】と名付けられ日本でブームとなります。
もともと履物としていわゆる便所サンダルのような、木の台にバンドのついたサンダルタイプの履物の製造や扱いがあった下駄屋業界。
草履屋・花緒屋さんといった製造業者が、ならば・・・とヘップサンダルの製造に加わっていきます。
付き合いのある人がやり始めれば、それを仕入れて売る、というのは自然な流れ。
下駄屋の店頭にヘップサンダルが並んでいる光景は今でもよく見られるのはそういった背景があるからなんです。
想像でしかありませんが、赤線禁止法により苦しくなった下駄屋業界をこのヘップサンダルが支えたと考えるのは比較的容易にイメージできます。
ある花緒屋さんに話を伺った時
「俺もヘップのデザインを勉強した時があったよ」
と、デザイン案をまとめた冊子を見せてもらったことがありました。
「もう花緒なんて必要無くなる・・・なんて言われてた時代もあったからね・・・」
と・・・
考えれば考えるほど、この赤線禁止法を中心とした辺りで色々な分岐が半ば強制的に生まれているように思います。
現在当店ではたたみのサンダルのみの取扱いです