丸屋就業
兄と姉がいますが、共に店の手伝いをする事は無かったため、自然な流れ??で自分が大学卒業と共に丸屋就業します。
といっても、下駄屋に生まれた、というただそれだけであり、
それまでに何かお手伝いをしていたわけでもなく「持って生まれた経験値」のようなものはまるでありません。
ただひたすらに店番をする日々はニートそのものでした。
暇で暇で・・・
正直、一日店番してても1人もお客さんらしい人が来ない時もあるぐらい。
これは・・・ヤバい・・・
というのは毎日のように感じますが、ひとまず自分に出来るのは花緒をすげる技術を身に付けること、
通常丸屋では5~10分ほどのお時間を頂戴して花緒を目の前ですげ・調節していきます。
が、駆け出しの自分は1足1時間ほどの時間を要しました・・・
とてもじゃありませんが、なかなかお客様の目の前で~というわけにはいきません。
自分で履く下駄を、自分ですげて、履いて感触を確かめる。
その繰り返しです。
実は今までお祭りの時以外、自分ところの商品なんて履いてこなかったわけですが。
自分で履いて確かめなきゃ良し悪しがわからない、ということで、この辺りから毎日下駄・雪駄履き生活がスタート。
正直「どうやって歩くのか?」というところからのスタートです。
「下駄は引きずっちゃいけない」
「下駄の音ってそんなにうるさくないよ。うるさくないけど、下駄ってわかる音。カッカッっていう音かな?
昔の芸者はね・・・・・・・・・~~~~~・・・・・~~~」
・・・はい。
という風に。
すげては履いて。
またすげて履く。という具合でした。