突っ掛けて履く
すげて・履いて。を繰り返していくと、同じ台と花緒でも、すげ具合によって全く感触が異なるのがわかります。
それはもちろん、自分ですげて調節しているわけですが。
しかし、奥まで入れて履いていたりちょっと手前で止めて履いたり、といった「履くポジション」でもそれは異なるように思います。
靴は足を包み込む履物なので、足のポジションは考えるまでもありません。
なので「どこで履くか」というのもまた和装履物独特の感覚なのかもしれません。
そこで、また昔話です。
「昔の人はとにかく花緒が硬かった(キツめにすげていた)。花緒の当たる位置が凹んでてね・・・」
足の指先が凹んでた!?!?
花緒で!?!?
「そうそう・・・・・・~~~~~~~・・・・・・・・・~~~~~~~」
っていう具合に、突っ掛けて履くとはどういう事を言うのか。
また、それに対する花緒のすげ具合を教えてもらい・・・・・・実践です。
花緒はとにかくキツく。
履くのに手で押し込み押し込み、なんとか爪が花緒から覗く程度に。
イメージとしては第一関節と爪の間を花緒が押さえている感じ。
すげるのも難しかったですが、いざ履いて・・・・メッチャクチャ痛い・・・・
実際に外に出て歩くわけですが。
店を右に出て真っ直ぐ山手通りの信号まで辿り着くまでに断念するぐらい痛かったです(笑)
その痛みも次第に慣れていくわけですが・・・その領域に辿り着くまでには大分根気と時間が必要です。
気付けば自分の足指に花緒ダコが・・・
花緒が当たっているところがコブになるわけです。
これが「昔の人は花緒の当たる位置が凹んでた」の正体かと思います。
確かに花緒ダコが第一関節の前にあると関節が凹んでいるように見える。
昔はそれぐらい履きこんでいる人が多かった、ということですね。
痛いほどにキツくする利点はどこにあるのか。
それでも履き続けてみて感じたことは「フィット感」を得るにはこれ以上の履き方は無いのではないかと思いました。
見た目すぐ脱げそうにも見えますが、爪先を固定するぐらいキツくすげるとそれ以上無いフィット感が生まれるように思います。
ただ、慣れない人がやるとメチャクチャ痛いです。(※経験者談)
覚悟が必要なスタイルであることは間違いないでしょう・・・
突っ掛けて履く・・・イメージ