黒の下駄 ~黒花緒のすがった下駄と黒塗りの下駄~
「白の下駄」では花緒色がメインでしたが、黒の場合は黒塗りの下駄もあります。
まず「黒の下駄」をお探しということで伺えば真っ先にあがるのは・・・
黒花緒のすがった幅の広い二枚歯下駄
これがなによりの男物の下駄の代表格であると思います。
男物といえば花緒は黒か紺、といった時代もありその頃からのイメージもあるようです。
黒無地の花緒の下駄でも台によって雰囲気も異なりますので、このコラムでは台の形や仕上げを変えた下駄もご紹介していきます。
黒花緒
まずは黒花緒について。
一般的なのはハイミロンと呼ばれる化学繊維の起毛素材を使用した花緒。
最もリーズナブルなためお普段履きとして履かれるシーンに適した花緒です。
クラスを上げると「本天【ほんてん】」と呼ばれるビロード花緒が当たりも柔らかく、独特艶感などもあり花緒の代表的な素材として昔から親しまれています。
当店オリジナルの花緒として会津木綿の黒花緒も雰囲気があります。
木綿らしい生地感で足当たりもよく、履き馴染みもとても良い花緒です。
これらを下駄台に合わせたイメージが下記の通り。
大下方【おおげほう】下駄~白木と焼き~(メンズ)
幅の広い二枚歯下駄=大角と比較して全体的に幅を狭くしたのが大下方【おおげほう】。
爪先部が最も幅広く、踵側を少し絞る事でスッキリと見せる形です。
基本となる白木はもちろん、焼き仕上げもまたカジュアル履きとして真価を発揮する下駄です。
いずれもお普段履きの下駄として適した下駄になります!
大右近【おおうこん】下駄~白木と焼き~(メンズ)
下駄は下駄でもサンダルのような下駄、というのが右近下駄と呼ばれています。
二枚の歯があることもなく、馴染みの深いサンダルのような形をした下駄です。
底にもスポンジ張りがされていてグリップ力の面でも安心できるスタイルです。
こちらももお普段履きの下駄として適した下駄になります!
茶竹表付き大右近(メンズ)
茶竹表付き大右近
¥9,500円~
白木・焼きや塗りといった加工下駄よりも改まった場面にも・・・というのが畳表のついた下駄です。
お普段にお履きになるには少々贅沢な雰囲気がありますが、それでも竹皮で編まれた畳表の感触は気持ちの良いものがあります。
形は右近下駄のみならず二枚歯・のめりといったスタイルもご用意してあります。
黒塗り下駄~下方と右近~(メンズ)
黒花緒を中心にご紹介していますが「黒の下駄」といえば「黒塗りの下駄」というのも当然候補に挙がるかと思います。
和装履物としての塗下駄の特性というと、耐水性がプラスされますので雨下駄としての用途も出てきます。
現代においては黒塗りに黒花緒!といった真っ黒の見立てもお若い方に多く、洋服に黒×黒の下駄、といったお客様が多いです。
例として二枚歯と右近下駄を紹介していますが、真角やのめりなどの下駄もございます。
クシ目塗り下駄~赤ラインのアクセント~(メンズ)
クシ目塗り真角&会津木綿花緒
¥9,600円~
ただの黒塗りでは面白くない!という方に。
黒塗りの中に赤のアクセントを入れた塗り下駄もご用意しています。
こちらは縦に赤ラインを走らせたクシ目塗り。
同様に黒地に赤の縞のデザインの花緒を合わせると・・・ピッタリじゃないですか!?
この辺りの花緒選びはお客様のセンスになりますが、黒・赤で統一感のあるお見立てが合う下駄だと思います。
黒の下駄~女性物の黒~(レディース)
黒の塗下駄は浴衣を着る際に素足で履いても問題ない!として、浴衣の下駄に塗下駄を合わせるイメージがありますが、
基本的にはオールシーズン履ける下駄です。
女性物の場合、黒塗りに黒の花緒という組み合わせは「和装的」な考え方ではないように思います。
このように前ツボだけでも赤くしてみるなどのワンポイントを作る事でグッとお洒落に見えると思います。
もちろん「花緒の見立ては自由」なのでお好みの花緒と下駄台との組み合わせお仕立て可能です。
ベースとなる下駄台が黒塗りだと花緒の色合いがクッキリと表れるようになるため、
イメージした花緒が映える下駄に仕上げやすいと思います。
黒塗りの変わり下駄(レディース)
先にご紹介しているシンプルな黒塗りがもちろん王道になりますが、黒ベースの代わり塗り下駄もまた楽しいところ。
黒塗りの台に赤ラインを走らせてアクセントとしたクシ目塗り下駄。
黒は黒でも塗りっぱなしの艶感のある黒と塗面を叩いて凹凸を作った艶消しの黒で市松に塗分け仕上げた下駄など。
下駄台の形や花緒との組み合わせも考えていくと・・・お客様のセンス次第!?
お好みの下駄に仕上げる事が可能です。
丹頂下駄(レディース)
丹頂下駄
¥7,900円~
最後に昔ながらの黒塗り下駄をご紹介させて頂きます。
黒塗りの下駄に白地の花緒、前ツボだけを赤くして黒・白・赤の配色を「丹頂鶴」に見立てて昔から「丹頂」と親しまれています。
かつて芸者さんの正月挨拶周りなどに履かれた下駄で、どこかおめでたさを感じる伝統的な下駄の組み合わせです。
このページでは黒花緒の下駄を中心に男女含めた様々な下駄をご紹介させて頂きました。
基本的には我々のような和装履物専門店の場合、お客様に台と花緒をお選び頂き、それを足に合わせてすげていくようになります。
こちらでご紹介させて頂いた下駄や花緒以外にも様々な商品をご用意しておりますので、是非商品も合わせてご覧ください。