パッと見た目では同じように見える下駄。
普通の下駄に見えるけど、なんでこんな値段するの?という方もいらっしゃいます。
また、それを見て「良い下駄だねぇ~」と言ってくれる方も・・・
さて、その違いはなんなのでしょうか?
ここでは下駄の作られ方の違いについて紹介します。
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下駄の名称ごとに、値段の高い順からならべると
・柾【まさ】
・厚張【あつばり】
・真物【まぶつ】
・天一【てんいち】
という順になります。
それでは、それぞれ1つづつ詳しく見ていきましょう。
下駄の台の表面から歯まで、まっすぐに木目(柾目)が通った台の事を指します。
画像を見て頂ければ、綺麗な真っ直ぐな木目が歯までしっかりと入っている事が確認できると思います。
(画像下の表面・裏面・歯をクリックするとそれぞれの画像に変化します)
画像のような柾の下駄は、欲しい時にすぐに手に入るような品物ではありません。
ある程度大きく育った木からではないと、これほど綺麗で多くの柾目が出せないのです。
ですから価値がある、高価な下駄となるのです。
しかし、この柾の下駄。
ただ、高価なだけではありません。
安価な下駄と比べると、圧倒的な履きやすさがあります。
桐の特性上、木目の細かく通っている部分の方が柔らかく、また軽くなります。
その柔らかさは履いて頂くとわかりますが、なんとも言えない柔らかさ。
天然のクッション、とでも言えば良いのでしょうか。それが台にあります。
柾は天から歯まで柾目が通っていましたが、厚張はどうでしょうか?
厚張は、柾目の通った板が厚く張られた下駄の事を指します。
下駄自体は削り出しで出来ていますが、表面に柾目の板が張られています。
(境界線有)の画像を見て頂くと、境界線を境に木目が変わっているのがよくわかります。
(歯の画像の方がわかりやすいです)
上述した通り、柾の下駄は高価なので、
少しだけでも柾目(風)に見せよう、といった趣のある下駄です。
天から歯まで、削り出しで出来ておりますが、柾目は通っていない(板目)の下駄です。
天には薄い柾目の板が張ってあります。
上から見ると柾目の通った良い下駄に見えますが、横から見ると柾では無い事がよくわかります。
柾目の板が張られていない物を特に「板目【いため】」と呼びます。
このほか、柾の板が張られているため、「柾張り【まさばり】」と呼ばれる事もあります。
履き心地としては、厚張も真物も変わりありません。
台と歯が別々で作られ、歯が糊付けとなっている台の事です。
真物と同じように上から見ると上等な下駄に見えます。
これも、柾目の薄い板が表面に張られているからです。
側面を見ると、歯が糊付けされた跡が確認できます。
画像の下駄は同じような木目を接着されていますが、全く変わってしまう事もあります。
また、歯が糊付けだからといって、歯がすぐ取れてしまった・・・という事はありません。
ただ、あまり余所行きには不向きな下駄と言えます。