和装初心者にお勧めの下駄(雪駄・草履)はありますか?―丸屋履物店

和装履物Q&A

Q.和装初心者にお勧めの下駄(雪駄・草履)はありますか?

A.当店ではまず二枚歯の下駄をお勧めさせて頂いています。

その理由は和装履物の履き方の基本となるからです。
雪駄を履くにしろ草履を履くにしろ、すべての基本は前重心。
その重心位置が分かり易い、というのがお勧めする理由です。

解説

着物を着ると歩幅が狭くなる

和装をすると着物が体にまとわりつくようになるため、自然と歩幅がとれなくなります。(歩幅を広くしてしまうと、着崩れの原因にもなります)
その少ない足の動きでより歩きやすいように考えられている履物が下駄などの和装履物です。
中でも当店でお勧めさせて頂いているのは二枚歯の下駄。 履いた経験の無い方が口を揃えて「履きにくそう」という、あの下駄なのです。
その理由は・・・

下駄は前に倒して歩くもの

下駄は歩く際に前に倒れ、地面を蹴る態勢を自然に作ってくれます。これが、履きやすさに繋がり、少ない足の動きで歩くポイントになります。
この下駄らしい・下駄ならではの履きやすさを得るには前重心になる事が重要です。
二枚歯の下駄の場合、下駄の前歯辺りに重心を置くようにすることで自然と前に倒れるようになり、グッと履きやすくなります。
これは全ての和装履物に共通している事で、基本とも言える履き方です。
まずはこの感覚を掴んで頂くために、当店では重心位置の分かり易い二枚歯の下駄をお勧めさせて頂いています。
文章だけ読むと「前重心」?「前に倒す」!?など、難しそうな印象を受けますが、実際に履いてみるとほとんどの方が自然とそのような歩き方になります。
逆に言えば自然とそういう歩き方になるように歯の位置等すべて計算されて形作られている下駄なんです。
下駄は当然今の時代に始まったものではありません。日本人が履く上で、少しでも歩きやすいようにと日本人のために日本人が改良を加えてきた履物です。
まずはその代表的な形の下駄から履いてみるというのはとても大事な事だと思います。

下駄履き例