下駄屋とは―下駄コラム―丸屋履物店

下駄屋とは

最近、どこの地域でも「下駄屋」というものが少なくなってきているそうです。
そういう品川でもそう。
かつて品川宿には東海道沿いの本通りだけでも10店舗ほどの下駄屋があったそうです。
現在では、ウチがただ一軒あるのみ。
品川を散策しに来た方に「下駄屋さんだ!珍しいね(懐かしいね)」とよく言われてしまいます。
お客様の中にも「○○から来ました」と、こっちが驚いてしまうような遠くからわざわざ足を運んでくれたりしています。
そういう方達の話を聞くほど、下駄屋が少なくなってきているのだなぁ、と実感します。
そもそも若い方達の中には「下駄屋」なんていうものを知らない方達もいるようです。
下駄を履く習慣もなく、今まで一度も履いた事がない方も非常に多い。
下駄屋の端くれとして、そんな現状を寂しく思います。
そういう方達にも、下駄を履いてもらいたい。知ってもらいたい。という思いがあります。
この「下駄コラム」。
そんな現状の少しでも役に立てればと思い、拙い文章ですが少しづつ書いていく事としました。
まずは、皆さんと下駄の最初の接点でもある我々の商売「下駄屋」について。

「下駄屋です」というと、「下駄作っているの?」と聞かれる事があります。
下駄屋は下駄を作っているわけではありません。
下駄の台と花緒を仕入れて、お客様にお好きな台と花緒を選んで頂き、それを足に合わせてすげる。
これが下駄屋の仕事です。
※すげる=台に花緒を取り付ける作業のこと
ですから、お客様には半分オーダーメイドのような格好になります。
自分が選んだ台。自分が選んだ花緒。自分の足に合うようにすげられた下駄。
世界に1つ、といっても過言ではありません。
そのようにして下駄を買って頂くのが本来の姿と言えます。
その方がお客様にしても買う楽しみがあるのではないでしょうか?
そこには自分で選べる楽しさがあります。
どんな形の台にしよう?どんな柄の花緒にしよう?
組み合わせはそれこそ数千とあります。
そんな買い方のできる場所。それが下駄屋なんだと思います。

下駄屋と言いますが、では雪駄や草履は置いていないのか、と言えばそうではありません。
江戸時代の頃は下駄屋と草履、雪駄屋に分かれていたそうですが、現在では下駄屋の名称のみが残っています。
下駄屋の商品は下駄・雪駄・草履が主で、変わった所では傘があります。
なぜ下駄屋で傘を売っているのか。
その昔、傘と下駄は神聖な物と考えられていた時期があるため、その関係からなのかもしれません。
ただ単に、雨の日は下駄(高下駄)を履くから、という理由で傘もセットで売っていたのかもしれません。
どちらにせよ、下駄屋で傘を扱うのは古くからの決まりなんだそうです。

その他、下駄屋の仕事といえば、履物の手入れでしょうか。
花緒のすげ替え・調節はもちろん、雪駄や草履の踵の打ち替えなど。
古くなった履物を甦らせてくれる場所でもあります。
下駄や雪駄、草履の事で困った事があったら下駄屋さんに聞いてみてください。
餅は餅屋。履物は下駄屋です。
きっと力になってくれることでしょう。

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