マダコ釣り。
釣りといっても竿を使わない数少ない釣りの一つです。
なんだかイメージ的には渋くて若者がやるような釣りじゃない気がしてしまいますが、実は老若男女だれでも簡単に出来る釣りです。
特にコツも無いのでビギナーがトップ釣果を出すこともしばしばあります。なかなか爆釣できるものではありませんが、是非挑戦してみてください。
マダコ釣りに必要な道具を下に列記します。
1:糸巻きに巻いてある渋糸(船宿で貸出有り)
2:テンヤ(船宿で購入出来ます)
3:カニ(餌です、乗船料に含まれています)
4:ネット(釣れたタコを入れます、宿で配られます)
5:指サック(指を痛めない為です、宿で購入出来ます)
6:クーラー(これだけは持参して下さい)
以上です。見ての通り、ほぼ手ぶらでチャレンジ出来ます。
マダコ釣りではテンヤにカニを装着します。
この釣りでビギナーに唯一難しいところです。
かみやで購入出来るテンヤは以下の手順で行って下さい。(他のテンヤでも装着場所や方法はほぼ同じです)
1:テンヤに巻いてある糸と輪ゴムをほどき、錘の上よりややカンナ(ハリのような部分のこと)寄りの部分に仰向けにカニを乗せます。
2:手でカニを抑えつつ、糸でカニを固定するように巻き付けていきます。まずは胴体の真ん中から始めましょう。
3:胴体を数回巻いたら、カンナ側へ巻いていきます。
4:続いて錘側へ戻って下さい。
5:さらに錘側へ・・・この時カニは錘側は手を折り、カンナ側は伸ばした方が安定します。
6:糸部分が終わっても輪ゴム部分も使って巻き付けます。
7:最後に錘に一回巻いてから金具部分(矢印部分)に引っ掛けます。
これで完成です。最終的にはスナップ付サルカンで、この金具部分に渋糸を繋ぎます。
そうそう、カンナには保護の為にチューブが付いていますので投入前に外すのを忘れないで下さいね。
釣り場に到着したら、テンヤを投入します。ある程度渋糸を糸巻きから外してからの方が投入しやすいでしょう。
投入したら海底まで落として下さい。底に着いたら、あとはひたすら小突きます。
人差し指に乗せて親指で押さえるような持ち方が一般的ですが、一日中小突いていると摩擦などで指を痛めますので、指サックの使用を薦めます。
ちゃんと海底を小刻みに小突けていれば、特に小突きのペースに決まりはありません。ただし、終始動かし続けるよりは出来れば時々タコが乗る間を数秒程度取ってあげた方が良い気がします。
タコがテンヤに乗ってくると、ジワッと重さを感じます(タコの大きさによって重さは様々ですので、テンヤのみでの重さ・感覚をしっかり覚えておくことがとても大切です!!)
しかし慌ててはいけません、まだ足数本しか乗っていない可能性があります。
タコは一度乗ってくると、ほぼ離れることはありませんので、慌てずにしっかり体全体で乗ってきたであろう頃合いまで待ちます。(この際はゆっくり小突き続けてもいいですし、単に止めて待ってもいいですが、根掛かりには気をつけて下さい)
ズッシリ重さを感じたらアワせます。カニに乗っているタコをカンナに引っ掛けるわけです。
片腕(利き腕がやりやすいでしょう)を伸ばしてなるべく先の渋糸を掴み、グイッと力強く引っ張ります。
引っ張ったあとしっかり重さが残っていれば成功です。
カンナにはカエシがありませんので、そのまま緩めることなく渋糸を手繰って下さい。
慌ててしまう気持ちは分かるのですが、頭の上に向かって手繰ってしまうと、いわゆるたこ踊りになってしまい、上手く手繰れません。
体の脇~腰付近へ手繰るイメージで左右の手を交互に出して手繰って下さい。手繰った渋糸は足下へどんどん落としてしまって構いません。
片手が引き終わってからもう片手を出すのでは止まってしまうタイミングが存在します(分かりますよね?)。ですので片手が引き終わる少し前にはもう片手を伸ばして下さい。
水面では必ず網(タモ)で掬ってもらいましょう。小さいタコなら外れ易いので尚更です。
なお、もしアワせに失敗したり、手繰っている途中で外れてしまっても直ぐにテンヤを底へ沈めて小突き直して下さい。
タコは必ず近くに居ますし、貪欲ですので再度乗ってくる可能性が高いのです。
釣ったタコは必ず網に入れて、網の口を縛ってバケツに入れておきましょう。
タコは僅かな隙間からでも逃げ出します。
タコを掴む時は頭と足の間を掴んで下さい。タコは口が頭の下側の足の付け根部分にあります。ここに触れてしまうと咬まれて怪我しますので注意して下さい。
ここでは根掛かりを少しでも避ける方法と、根掛かりしてしまった時の対応をお伝えします。
マダコは根があるところに居ますし、テンヤはずっと底を小突くわけですので、どうしても根掛かりのリスクはつきまといます。
しかし、釣り人から見て斜め下にテンヤがある状態で小突いているよりも、真っ直ぐ真下にテンヤがある状態で小突けていれば、(穴などにスッポリはまったケースを除き)根掛かりは減少するはずです。
船は広く探る為に少しずつ横へ流していますので、ずっと小突いていると少しずつ斜めになってしまいます。ある程度斜めになってしまったら、一度回収して真下へ入れ直すと良いでしょう。
それでも根掛かってしまうことは多々あります。多少強く引っ張れば運良く外れる事もありますが、なかなかそうもいきません。
根掛かりを外す一つの方法としては、まず強めに渋糸を引っ張り、パッと手を放します。繰り返しになりますがテンヤのカンナにはカエシが無いので、この方法で外れるケースがあります。
それでも駄目ならば、テンヤをロストするのを覚悟で力業です。船のどこかに渋糸を縛りつけ、流れていく船の力で外します。
(※手で無理矢理引っ張り続けるのはやめましょう。渋糸は硬くて丈夫です。思わぬ怪我の原因になります。)
運が良ければカンナが伸びた状態だけで返ってきますので手の力でカンナを、戻せばOKです。
残念ながらサルカン部分で切れたり、カンナが折れた状態で返ってきたら次のテンヤを使って下さい。
如何だったでしょうか?簡単な釣りだと分かっていただけていると幸いです。
数釣れる釣りではない上にどうしても単純作業なので乗りがないと飽きてしまうかもしれません。が、釣れたときの興奮は病みつきになるかと思います。
また、特に片舷流しでは釣り座の有利不利がほぼありませんので、「きっと早い時間から来てる四隅のベテランばかりが釣れるんだろうな」という他の釣りにありがちな心配が皆無です。
次の竿頭はあなたかもしれませんよ?機会があれば是非チャレンジしてみて下さい!!
2013-6/24 文・浅居