下駄の種類と名称―下駄コラム―丸屋履物店

下駄の種類と名称

下駄の種類は色々です。
2枚歯の下駄、前歯がのめっている下駄、草履型の下駄。
幅広・幅狭。丸型・角型。
さらに白木や塗り、焼きなど。
数十種類は楽にあります。
この中から自分の履きたい下駄を選ぶわけです。

大角   大下方

下駄、と言えばやはり2枚の歯がある下駄をイメージする方がほとんどではないでしょうか。
2枚の歯がある下駄のことを「駒下駄【こまげた】」と言います。
駒下駄の中には「大角【おおかく】」と呼ばれる幅の広い下駄、「大下方【おおげほう】」と呼ばれる幅の狭い下駄など。
女性物ですと「芳町【よしちょう】」を基準として、幅が広くて丸い「相丸【あいまる】」など。 駒下駄の中でも形は様々です。
駒下駄の特徴はなんといっても、その歩きやすさだと思います。
下駄は前に倒すようにして歩くため、駒下駄の高さと歯の位置が前に倒しやすく歩きやすいのです。
初心者の方にもお勧めですし、毎日下駄履き!という方の中にも駒下駄を好む方が多いです。

大千両   大小町

前の歯がナナメについている形状の下駄の事を「のめり」と言います。
前歯がナナメになっていて、後ろの歯は駒下駄のような歯がついている下駄を「千両【せんりょう】」。
前歯がナナメになっていて、後ろの歯も台の形通りに丸い歯がついている下駄を「小町【こまち】」と言います。
「千両」の名は千両役者が好んで履いていたから、と言われています。
その名の通り、役者さんは好んで履く傾向にあるようです。
また、前歯がナナメについているため、駒下駄よりも前に倒しやすく歩きやすい、という方もいらっしゃいます。
こればかりは好みでしょうか。
歯が減っていくと、これから説明する右近下駄のような履き心地になります。
また、木の量が駒下駄よりも多いため、駒下駄に比べると長持ちする特徴があります。
「小町」は美人のことを「○○小町」というように、結婚前の若い娘によく履かれた下駄です。
前歯がナナメについているだけではなく、後ろの歯も台に沿って丸くついています。
木の量が多く少々重いのですが、持ちは下駄の中ではナンバーワンです。(差し歯の下駄を除く)
重い=筋力が衰えてくる年代の方には履きづらい。
持ちが良い=あちこち動き回る若い娘に履かせても歯が減らない。
そんな理由から小町と名付け、若い娘に履かせていたのかもしれません。

大右近   大右近

草履のような形状をした、高さの無い下駄を「右近【うこん】」と言います。
昔は右近にもスポンジは貼られていませんでしたが、最近ではスポンジを貼った物しか見かけなくなりました。
駒下駄のような高さがなく着地面積も広く、滑り止めのスポンジを貼られているため歩きやすいと感じる方が多いようです。
しかし、「歩きやすい」というよりも、サンダルを履いているような感覚に近いため「違和感無く履ける」と思って頂いた方が良いと思います。
形状的に前に倒すことが難しく、引きずるような歩き方になりやすいです。

朴歯   一本歯

次に、差し歯の下駄。
台そのものは桐で出来ているのですが、歯に朴や樫材を使用しているのが差し歯の下駄です。
歯が差し込まれているため、歯が減っても歯だけ取り換える事ができて、とても経済的な下駄と言えます。
種類は男物に、
■朴歯・豪傑【ほおば・ごうけつ】
■大朴坂【おおほおさか】
■五分橋【ごぶきょう】
■一本歯【いっぽんば】

女物に
■日和下駄【ひよりげた】
■高歯(利休)下駄【たかば(りきゅう)げた】
があります。
それぞれ説明していくと。

・朴歯は昔バンカラ学生が好んで履いた下駄です。
背は駒下駄よりも高く、ぶ厚い朴歯が付いています。

・大朴坂は、朴歯よりも薄くて低い朴歯がついた下駄です。
駒下駄よりも背が高く歯が薄いため、雨の日にも履ける下駄になります。

・五分橋は、歯が樫でできた下駄です。
その名の通り、五分の厚みの歯がついていると思いきや、三分ほどの細い歯がついています。
背は大朴坂よりも高く作られます。

・一本歯は、これは言わずと知れた天狗の下駄です。
朴の歯を一本だけ差し込んだ下駄です。
坂道でも台が水平を保つので、坂道歩行が得意で山登りに使われていました。

・日和下駄は、男物の大朴坂と変わりません。
駒下駄よりも背が高く薄い朴歯の下駄です。
日和=晴れの日、ですが、「日和を選ばず(雨の日でも)履ける」という意味での「日和」ではないかと思います。
「日和下駄」というと、通常女物の事を指す慣習があります。

・高歯(利休)下駄は、男物の五分橋と同じく、樫の歯がついた下駄の事です。
日和下駄よりも背が高く作られます。

以上が、だいたいの下駄の形状でしょうか。
あとは、下駄の表面(天)に畳表をつけた「表付き【おもてつき】」
鎌倉彫を施した「鎌倉彫【かまくらぼり】」
津軽塗を施した「津軽塗【つがるぬり】」
胡麻竹を張った「胡麻竹【ごまだけ】」
桜の皮を張った「桜皮張り【かばばり】」
などがあります。

それぞれ、紳士下駄・婦人下駄の商品一覧ページに載せてありますので、興味のある方はそちらへお進みください。

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※ここで紹介した名称および形状は東京・品川に伝わるものです。
下駄の名称は地域により異なる場合がある事をご了承ください。

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