このコラムでは「下駄」・「雪駄」・「草履」そのものの違いと
「下駄」・「雪駄」・「草履」それぞれの目利きとなるポイントをご紹介いたします。
まずは動画で見る
我々和装履物専門店=下駄屋の言う「下駄」とは
「木からなる台に穴が3つ空いていて、そこに花緒をすげられるもの」です。
素材は様々ですが、現在では基本的には桐が使用されています。
また、形は2枚歯のものばかりではなく、サンダルのような形や
草履の形を踏襲したものもあります。
なんといっても材料となる桐でしょうか・・・
桐の中でも最高峰とされるのは「会津桐」と呼ばれるもの。
夏暖かく・冬は寒いという会津盆地独特の気候が桐を至高の材料へと育てます。
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現在では雪駄=男物、草履=女物といったようなイメージがあります。
そのままのイメージで表現されてもおおよその意味は通じるはずです。
下駄屋として、より雪駄と草履の違いを詳しく表現すると
「草履の方が広い意味であり、雪駄は草履の一種」と言えます。
いわゆる草履に対して雪駄と呼ぶのは難しいですが、雪駄を草履と呼ぶことには違和感はありません。
雪駄といえば、やはり畳表であることでしょうか。
※畳表といっても和装履物の中の畳は住居などに使用されるい草ではなく竹皮を編まれたもの
畳表の裏には革が縫い付けられている。
踵には金具がついていて、歩くとチャリチャリと存在感のある音が鳴る。
というのが雪駄という履物だと思います。
現代においては素材や製法の変化によりさまざなスタイルの【草履】が生まれていますが、
我々・和装履物専門店の指す【草履】とはコルク材に革や布などを巻き、重ね、底・天を整形した履物のことです。
草履の目利きポイントもまた材料や製法といったことになりますが、
草履の場合はプロから見ても難しいものがあります。
というのも芯材となるコルクなどは外側から見えませんし、合皮と本革の違いも表面だけで見分ける事は非常に困難です。
一つの目安として下駄屋の思う「良い草履」の基準を挙げてみると
・コルク芯を使用されていること
・底は本革(クロームなめし革)を使用されていること
・天(足を載せる部分)には適度なクッション材が使用されていること
・表や周りの部分には本革が使用されているもの(合皮の場合どうしても劣化症状が出るため)
といったことでしょうか。
やはり職人としては一つの草履を出来る限り長く履けるように作るものです。
手入れをしながらにはなりますが、上記のような品物であれば世代を越えてお履き頂けるように思います。